BTSが ‘Love Yourself: Her’ アルバムのコンセプト舞台裏を語る: 「これは僕達の第2章の始まり」- Billboard

BTS Interview: 'Love Yourself: Her' Album 'Is the Beginning of Our Chapter Two' | Billboard | Billboard

 

“Go Go”の意味から彼らがBBMAsでの受賞を誇示する理由まで、BTSのラップモンスターが全てを語る。


BTSの‘Love Yourself: Her’がリリースされる数時間前、グループのリーダー、ラップモンスターの中でアルバムの重要性は失われていなかった。


「僕達にとって大きな大きなステップでした。」23歳のラッパー/ソングライター/プロデューサーはソウルからの電話の中でビルボードに語る。「もちろん、全メンバーがアルバムを楽しみにしています。僕達は新曲と完璧なパフォーマンスをお見せするために昼夜問わず練習しています。先日僕達のファンカフェにメッセージを残したんですよ。‘このEPはBTSの分岐点になります’と。このアルバムが本当に待ち遠しく感じました。--5月のBBMAsは大きな出来事だったと思います。--沢山のことが起きましたから。」


(BBMAsでの)受賞はポップ界の大物達、ジャスティン・ビーバー、セレーナ・ゴメス、アリアナ展グランデ、そしてショーン・メンデスらが支配するトップソーシャルアーティスト賞に投票し、ラップモンスター、ジン、ジミン、シュガ、ジェイホープ、ヴィ、そしてジョングクからの新曲を待ち望んでいる有名な熱狂的ファンベース、Armyによって大いに予想されていた。


それ以来、BTSAmazon、そしてUSを中心に展開するThe Orchardと流通取引を取り付け、(「僕達はまだアルバムが重要であり、世界中のファンの皆さんと繋がる大切なものであると信じています。」とラップモンスターは言う。)チャート上位に留まるMajor LazerやHalsey、Charli XCX達と並んだ。(「これは僕の第六感なんですが、多分僕達はもっと多くの面白いアーティストの方々とコラボするかもしれません。」と彼は付け加えた。);Love Yourself: HerでThe Chainsmokersとビートを生み出したにも関わらず。


しっかりとプロデュースされた楽曲を聴くと--来週のBillboard 200チャートで大成功を収めるであろう--情熱が明確に感じられる強烈なリードシングル“DNA”、メンバー達の人生から切り取られ、複数の歌詞の中に社会的論評が込められている“Go Go”.

最新アルバムにおける前向きな(曲調の)EDM、hip-hop、そしてポップトラックの全体像とメッセージを見て心に描きながら新曲について語るラップモンスターの声にも多くの情熱が感じられる。


ラップモンスターとのより深い分析を読み進めていこう。

 
Q. “Serendipity”から始めてみよう。何故この曲がイントロ、そして新時代の幕開けとして選ばれたんだろうか。


RM: 歌詞、メロディー、そして“Serendipity”の最初のテーマを書いた時、人生の中で見つける貴重なもの、何か特別な、キャラコ、三毛猫のような、人々の人生の中で並外れた意味を持つものを見つけ出してみようとしたんですよ。僕はその瞬間を共有したかったんです。


Q. 歌詞を読んでいて、中性的でとてもパワフルだと思った。それは意識的なものなのかな?


RM: 歌詞は人生において貴重で特別なことに基づいています。なので、そういった感情は性別、文化、そして人々の間にある壁も超えると思ったんです。

僕達はいつもシングルを出す直前にイントロを出すので、イントロというのはこのアルバムのコンセプトを伝える役割を担っています。”Serendipity”はシングル“DNA”での感情を共有するのに本当にふさわしい曲でした。

タイトル曲は僕達のDNAがどんな風に宇宙と繋がっているかについての曲なんですが、このアルバムにとって適切なものだったと思います。

 
Q. DNAについて話してみよう。この曲はどのようにBTSの物語を発展させていくのかな?


RM: 僕達がタイトル曲について話し合っていた時、”DNA”は若く情熱的な愛についての表現にしようと。「僕達は運命的に最初から繋がっていた。僕達のDNAは1つだったんだ」こういう歌詞ですよね。同時に、”DNA”はBTSを新しい地へと連れ出しています。

僕達は新しい言葉遣いや物事の見方を適用しようとしたんです--歌を聴いていただければ、僕が何を言っているのか理解してもらえると思います--技術的にも音楽的にも、以前とは違いますから。

今回のアルバムは僕達のキャリアにおいて2つ目の出発点になると信じています。僕達の第2章の始まりです。


Q. “Best of Me”はとても印象深かった。The Chainsmokersの音楽のように聞こえるし、BTSの音楽のようにも聞こえる。他のアーティストとコラボする時に自分自身(の音楽)を見失わないようにするのは簡単ではないよね。どうやって作ったのかな?


RM: そのトラック大好きなんですよ!BBMAsで彼らとお会いしたんですが、僕達はとても運が良かったです。実は彼らが先日韓国で大きなコンサートがあって、そこに招待していただいて“Closer”を一緒に歌ったんです。

“Best of Me”の時は数ヶ月間に彼らがいくつかトラックとサンプルを送ってくれて、僕達とプロデューサーの方々とで「うん、これが次のアルバムに合うね。」って感じで1つ選びました。そしてそれを作業して、彼らに送って、僕達が手を加えたトラックをどう思うか、意見をもらいました。そうして完成させたんですよ!とても楽しみです。

 
Q. 君たちのアルバムはいつも深い社会論評を含んでいるね。今回のリリースの中からいくつかのトピックについて話してみよう。“Go Go”がすぐ浮かんできたよ。


RM: “Go Go”はトレンディーな曲ですが、僕ら若い世代がどのように期待できない、低い水準の生活を生きているのかについての曲です。みんな現実に不満を感じているんですよ。少ない希望と多くの経済的問題を背負っているんです。僕達はそれについて何か触れたかったですし、まるで将来がないみたいな良くない現実を生きろと強いられているのは彼らの選択ではないということを強調したかったんです。

でも韓国では「YOLO(人生一度きり)」という単語が若者達にとって大きなキーワードになりました。彼らはお金も無く、大金を稼ぐ機会を得ることも困難だからです。社会は若者達にとって沢山の問題を抱えていると思うんですよ。若者達は街中のショッピングモールにあるUFOキャッチャーでお金を使うんですよ。30ドルくらい使って、ぬいぐるみを獲ろうとする。それで「ああ!金全部使っちまった、、、けど後悔はしてねえ。」こういう感じなんです。これが韓国の若者達にとって1番の贅沢で、アクセサリー、コスメを集めることが彼らの考える贅沢なんです。

「俺は全部買うぞ!この食べ物全部買って食うんだ!俺はやるぞ!」これが「YOLO」なんです。僕はこれが悲しいと思うんですよ。これが僕達の出来る全てだから。“Go Go”はただ、「オーケー、ただやってみよう、後悔はしないから。数ドルマシーンに使って食べ物食おう!」そういう歌なんです。でも同時に、この歌は一緒に歌いやすい曲なので多くの方々が気に入ってくださると思うんです。深い意味を見つけてくださるのなら特に。

 
Q. もちろん、君のBBMAsでの受賞スピーチからのスキットについても聞かなくては。


RM: “Mic Drop”を聴いてもらわなくちゃいけません。スキットは僕達の歴史において晴れ舞台だったBBMAsでの僕のスピーチですから。それでスキットの後に“Mic Drop”を入れたんですよ。「オーケー、俺らはやり遂げた。何も気にすることなんかないさ。」こういう感じで。このアルバムにぴったりなスキットとそれに続く曲でした。

 
Q. 最後の曲、”Outro: Her”は僕に語りかけてきたよ。日記を読んでいるようだった。


RM: ハハ!

 
Q. 君と話してみて、このアウトロはアルバム全体の総括をしているようだし、とても内省的だね。


RM: 今回のアルバム作業の中でアウトロが1番早かったと思います。ヴァースを20分で書いたんですが、ただ僕の心の底からまっすぐ浮かんできたんですよ。このアルバムにこのアウトロがふさわしいと思ったのは、様々な感情を含んでいるからなんです。--「本当に愛する人と出会ったんだ、今この瞬間この人は僕の人生においての愛なんだ、この複雑な世界の中で戸惑いつつも愛を探していたんだ」って。だけどこれはあなたのことだから、「僕は君を‘her’と呼ぶ、何故なら君は僕の涙だから。」「君は僕の始まりであり結末」そして「君は僕の‘her’であり‘tear’」って歌うんです。フックでは愛というものは幸福だけでなく、楽しさだけでも、喜びだけでもないんだということを伝えているんですよ。誰かを愛したいなら、その内部には涙や憎しみもあるってことを知っておかなくちゃいけません。愛はそれら全てを含んでいると思うんですよ。これが僕の言いたかったことなんです。愛は複雑なんだってことを。

 
Q. このアルバムを手にするファンはとてもラッキーだよね。1番最初に2つの隠しトラックを聴くことになる。何故その2曲を隠しトラックに?


RM: 隠しトラックを理解するには本当にBTSのファンでなければいけないと思うからです。そうでなければ理解していただけませんから。「どうして彼らは複雑に物事を考えるの?彼らはもう十分良いんじゃない?どこかではNO.1だし、多くを持っているのに何故心配事をしているの?」いつもこういう話をされるんですよ。だけどもしあなたが本当にBTSのファンで、アルバムを買い、隠しトラックを聴いたなら--もしあなたが2013年、2014年から共に歩んできたArmyなら--理解していただけると思います。彼らにより近く、よりスペシャルなんです。